「MRIでは異常ありませんね」
そう言われてホッとした反面、
「じゃあ、このしびれは何なんだろう……」
と不安になった経験はありませんか?
腕や手のしびれは周りからは見えません。しかし本人にとっては仕事や家事、睡眠にまで影響するつらい症状です。
当院にも、
・パソコン作業が15分も続かない
・スマホを持つだけで腕がだるい
・夜中にしびれで目が覚める
・ペットボトルのフタが開けづらい
・マウスを持つ手に力が入りにくい
このようなお悩みを抱えた方が来院されています。
今回は、整形外科で「異常なし」と言われたにもかかわらず、腕のしびれに悩み続けていた患者さんのお話をご紹介します。
目次
「このまま仕事が続けられなくなるかもしれない」
そう話してくださったのは、40代の女性Sさんです。
専門職として日々パソコンに向かう仕事をされています。
最初は指先が少しピリッとする程度でした。しかし徐々に症状は強くなり、仕事を始めて15分ほどすると腕全体がジーンとしびれ始めるようになりました。
集中力は続かず、思考も途切れてしまう。
「このまま悪化したら仕事ができなくなるかもしれない」
そんな不安が頭から離れなくなったそうです。
整形外科ではレントゲン検査を受け、
「少し首の骨の間が狭くなっていますね」
「年齢的な変化でしょう」
と言われました。
ブロック注射も受けました。確かに施術直後は楽になります。しかし2〜3日経つと再び腕の重だるさやしびれが戻ってくる。そんな状態を繰り返していました。
そして次第に、
「どこへ行っても変わらないんじゃないか……」
と諦めかけていた時に当院へ来院されました。

MRIで異常なし。でも腕は確かにおかしい
こうしたケースは決して珍しくありません。
画像検査では大きな異常が見つからない。しかし症状は確かに存在する。これは気のせいではありません。
なぜなら身体には画像だけでは判断できない「機能の問題」があるからです。
例えば道路を想像してみてください。
道路自体は壊れていないのに、工事や渋滞によって車が流れなくなれば交通は麻痺します。
神経も同じです。
神経そのものが傷ついていなくても、関節の位置の乱れや筋肉の過剰な緊張によって神経の通り道が狭くなれば、しびれや痛みが現れることがあります。
腕のしびれは「首だけ」が原因ではない
腕がしびれると、多くの人は首だけに原因があると思います。
もちろん首が関係していることは少なくありません。しかし実際にはそれだけではありません。
身体は一つにつながっています。首だけを見ていても、本当の原因を見落としてしまうことがあります。
Sさんの場合もそうでした。
検査を進めると、
・学生時代のスポーツでの転倒
・過去の捻挫
・長年の足組み
・片側重心の立ち方
などが積み重なっていました。
一見すると腕とは無関係に思える出来事です。しかし身体は過去の歴史を覚えています。
昔の怪我や生活習慣によって骨盤の位置が変化し、その影響が背骨全体へ伝わる。結果として首や肩周囲に負担が集中し、神経の通り道が狭くなっていたのです。
私はよく、
「身体は家と同じです」
と説明しています。
2階の窓が閉まりにくい時、窓だけを削っても根本解決にならないことがあります。原因は1階の土台が傾いているからです。
身体も同じです。
首という2階だけを整えても、骨盤という土台が崩れていれば再び負担は戻ってしまいます。

コップから溢れた痛み
痛みやしびれは突然起きたように感じます。しかし実際は長年の積み重ねで起こることがほとんどです。
これは人から教えてもらったものですが、
私はよく痛み疲労の蓄積を「コップの水」に例えます。
毎日の疲労、姿勢のクセ、過去の怪我、睡眠不足、ストレス。
こうしたものが少しずつコップに水を溜めていきます。
そして限界を超えた時に、コップから水が溢れてこぼれ落ち…
・腕のしびれ
・肩の痛み
・首の違和感
・手の力の入りにくさ
として表面化します。
まずは机の上にこぼれた水(=症状)に目が行きがちですが、それまでに溜まっていた水(負担や疲れ)の方が実は問題です。
たとえ話ではありますが、
「なぜコップが溢れたのか」
を考えることが根本的な症状の緩和には欠かせません。

当院が大切にしていること
当院では腕のしびれを首だけの問題として考えません。
骨盤、股関節、背骨、肋骨、肩甲骨、首まで含めて全身のバランスを確認します。
施術は非常にソフトです。
ボキボキ鳴らすことはありません。
初めて受けた方からは、
「これで本当に変わるんですか?」
と言われるほど優しい刺激です。
しかし身体は強い力で変えるものではありません。本来の位置へ戻りやすい環境を整えることが大切だと考えています。
大切なのは施術後の変化
施術直後の変化だけで判断することはありません。
本当に大切なのは、その後数日間の身体の変化です。
・夜ぐっすり眠れた
・朝の身体が軽い
・仕事に集中できた
・しびれを忘れていた時間が増えた
こうした変化こそが身体が回復へ向かっているサインです。
Sさんも最初から劇的な変化があったわけではありません。
しかし、
「そういえば昨日はしびれを気にせず仕事ができました」
「最近よく眠れるようになりました」
そんな変化が少しずつ積み重なっていきました。
現在では朝起きた直後にわずかな違和感が残る程度で、以前のような強いしびれに悩まされることなく、仕事にも趣味にも集中できる生活を送られています。
ご自宅でできるセルフケア
炎症による熱感やズキズキした痛みが強い場合は、温めるよりも氷で20分程度冷却した方が楽になることがあります。
※凍傷を防ぐため、氷はタオル越しに使用してください。
また、身体を整えるうえでおすすめなのが歩行です。
特別な運動を頑張る前に、
・背筋を無理に伸ばさない
・力を抜いて歩く
・呼吸を止めない
ことを意識しながら10〜20分歩いてみてください。
歩行は骨盤や背骨の自然な動きを引き出し、身体本来の調整力を高めてくれます。
身体のことを忘れて過ごせる毎日へ
腕のしびれに悩んでいる方の多くは、
「痛みをなくしたい」
だけではありません。
本当に望んでいるのは、
仕事に集中したい。
趣味を思い切り楽しみたい。
家族との時間を笑顔で過ごしたい。
夜ぐっすり眠りたい。
そんな当たり前の日常です。
身体のことを一ミリも気にせず、のんびり過ごせる毎日。
もしあなたが今、
「検査では異常ないと言われたけれど、このしびれを何とかしたい」
そう感じているなら、一人で抱え込まないでください。
身体には必ず理由があります。
そして、その理由が見つかれば変化の可能性も見えてきます。







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