こりと痛みの正体〜なぜマッサージしても治らないのか?〜

筋肉神話からの解放~アンチテーゼ~

「肩がこるから、まずはほぐす」――これが現代の整体やリラクゼーション業界における「常識」のようになっています。マッサージ、指圧、ストレッチ、そして最近では「筋膜リリース」という名前で強い刺激を加える手技まで、とにかく「こった筋肉をゆるめれば解決する」という考えが広く浸透しています。

たしかに施術の直後はスッキリして楽になることがあります。しかし、それは本当の意味で症状が治っているわけではありません。実際には「カウンターイリテーション(counter-irritation:逆刺激)」という仕組みが働いているのです。これは、いま感じている痛みよりも強い刺激を与えることで、脳が痛みを感じにくくなる現象。いわば“ごまかし”に近い作用なのです。

この「ごまかし」に頼っている限り、こりや痛みは何度でも戻ってきます。にもかかわらず、業界では「とにかくほぐせばいい」という発想が金字塔のように扱われ続けています。

しかし、そもそも筋肉がなぜ緊張して固まるのか、その背景に目を向けなければ根本的な解決にはなりません。筋肉は理由もなく固まっているのではなく、体を守るためにこっているのです。

なぜマッサージをしてもこりがぶり返すのか

多くの方は「こっている筋肉をほぐせば楽になる」と考え、マッサージやストレッチを選びます。たしかに一時的には血流がよくなり、スッキリすることもあるでしょう。

しかし翌日にはまたこりが戻っている。なぜでしょうか?

答えはシンプルです。こりの本当の原因を取り除いていないからです。

筋肉は、骨格という支柱にぶら下がるように存在しています。もしその土台である「関節の位置」がズレたら、どうなるでしょうか?

支点がズレれば、当然そこにかかる力のバランスも崩れます。筋肉は「引っ張られる側」と「引っ張る側」に分かれ、常にアンバランスな状態で働かざるを得なくなるのです。

テント理論で考える「関節と筋肉の関係」

この関係をイメージするのに分かりやすいのが「テント理論」です。

  • テントの支柱=骨格(関節)
  • テントを張るロープ=筋肉

と考えてみてください。

①支柱がまっすぐな場合

支柱(関節)がまっすぐ立っていれば、ロープ(筋肉)は均等な張力で支え合い、バランスが取れます。筋肉に過度な負担はかかりません。

②支柱が傾いた場合

しかし支柱が少しでも傾けば、どうでしょう?

片方のロープは強く引っ張られ、反対側のロープはゆるみます。このアンバランスを放置すれば支柱は倒れてしまいます。

そこで体は無意識に「筋肉を緊張させて」支柱を立て直そうとします。

③支柱を守ろうとする筋肉

傾いた支柱を支えるために、一方の筋肉は常に引っ張られ(伸張固定)、もう一方の筋肉は縮こまって踏ん張ります(短縮固定)。

結果として、

  • 引っ張られる側 → 痛みや張りを感じやすい
  • 縮こまる側 → こりや盛り上がりを生みやすい

となります。

こりの正体は「筋肉の防御反応」

つまり、私たちが感じている「こり」とは、筋肉が好き好んで固まっているのではなく、関節のズレを守るために仕方なく固まっている状態なのです。

これはいわば、防御反応。筋肉は「もうこれ以上支柱を倒させないぞ」と命がけで支えてくれているわけです。

だから、外から力づくでほぐしてしまうと、一時的には楽になりますが、根本のズレは残ったまま。体はまた筋肉を固め直して支柱を守ろうとするのです。

これが「マッサージしてもすぐ元に戻る」理由です。

ところで、これ以上関節のズレを防ごうと必至に頑張っている筋肉をもみほぐすとどうなると思いますか??

支柱が傾かないようにがんばって支えている筋肉をグリグリもみほぐして緩めてしまうと、支えが失われるので、支柱の傾きや、関節のズレ(支点のズレ)はより悪化してしまうこともあるかもしれません。

実は、こりも、体の防御反応なんですよね。

レバーアーム(てこの原理)から見る負担の大きさ

関節のズレは、単にアンバランスを生むだけでなく、負担そのものを増大させます。

物理学でいう「てこの原理」を思い出してください。

支点(関節)がズレると、レバーアーム(てこの腕)が長くなり、わずかな力でも大きな負担となります

つまり、普段通りの動作をしているつもりでも、支点がズレていると筋肉には数倍もの力がかかってしまうのです。これが「疲れやすい」「同じ動きなのに痛みが出る」といった現象の正体です。

こりや痛みを放置するとどうなるか

関節のズレをそのままにしておくと、筋肉は常に緊張し、血流も悪化。疲労物質が溜まりやすくなります。

さらに進行すると、

  • 運動異常(正しく歩けない・姿勢が崩れる)
  • 慢性的なこり・痛みの悪化
  • 関節や椎間板への二次的なダメージ

といった問題につながる恐れがあります。

「たかが肩こり」と思っているうちに、実は体全体の機能低下を招いてしまうのです。

当院の整復医学アプローチ

ではどうすればいいのでしょうか?

答えはシンプルです。根本の“支点のズレ”を整えること

当院の整復医学では、筋肉だけでなく「関節の位置」を丁寧に見極め、ズレを正しい位置へと導きます。

そうすることで、

  • 支柱(関節)が安定する
  • ロープ(筋肉)が余計に引っ張られる必要がなくなる
  • 筋肉の防御反応が自然に解ける

というプロセスを経て、こりや痛みが根本から改善されていきます。

まとめ

こりや痛みの正体は「筋肉の使いすぎ」ではなく「関節の支点のズレ」。マッサージで一時的にほぐれても、ズレを直さなければすぐに戻る。筋肉は支柱を守るために固まっている(防御反応)。支点を整えることで、筋肉の負担は自然に解消される。

だからこそ、こりや痛みを本当に解決したい方は、関節から整えるアプローチを知る必要があるのです。

「マッサージを受けても治らない…」と悩んでいる方へ。それはあなたの努力不足でも、年齢のせいでもありません。

本当の原因は、あなたの体が「関節のズレを守ろうとしてくれている」だけなのです。

支点を正すことで、筋肉はようやく休むことができ、こりや痛みから解放されます。

当院の整復医学は、そのための最短の方法です。

関節の施術を受けてみたい方へ

「こりや痛みの正体」を知ることは、単なる症状の理解にとどまりません。自分の体の防御反応に気づき、これまでの不調を“体が発していたサイン”として受け取れるようになります。

マッサージや筋肉の施術を繰り返してもなかなか改善しないこりや痛みに悩んでいる方は、関節に着目した当院ならではの施術を一度ご相談ください。根本から原因に向き合うことで、これまでとは違った変化を感じていただけるはずです。

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Nagahama
はじめまして、鍼灸・接骨院「白澤堂HAKUTAKUDOU」の院長・長濱です。 当院では、東洋医学の幅広い知識を現代に活かし、皆様の健康を支える施術を行っております。気血のバランス、骨格のバランスを整えて本来の正常な機能と動作を取り戻すことが大切です。心身のお悩み、お気軽にご相談ください。