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肩こりの原因となる姿勢
私たちの頭の重さは4~6kg。ちょうどボーリング球くらいで、ボーリング球の重さの頭を細い首で支えているわけです。まっすぐ頭が首の上にのっていればうまく支えることができますが、パソコンやスマホに集中するあまり、背中がまがって首が傾くことで、その負担は増大します。下図が首の角度と負担の変化。
首の負担の大きさは、背骨から頭までの距離L×頭の重さWの積=LWによって決まります。
首が前に移動するほど、頭と首が傾かないように首の後ろや肩まわりの筋肉に過剰な負担がかかってくるようになることは、容易に想像できますよね😢
肩こりと普段の姿勢は密接な関係にあり、当院に来られる方でも「就職してから肩こりが増えた」「パソコンで座ってばかりで運動もへっている」など共通してお話されます。
コロナ渦で自宅でのリモートなどで、普段とことなる机の高さや仕事環境の変化によって姿勢もさらに悪くなり、よけいに肩こりが増えてきている気がします。
肩こりの原因となる姿勢は、下図に示すように猫背により顎が前に突き出す、いわゆる「カメ首」姿勢が原因となっていると考えられます。
肩こりの原因となる姿勢は、主に「猫背」と「スウェイバック」という姿勢です。
猫背はご存知、背中が猫みたいにまるくなった姿勢。座った姿勢ではこの格好は多いですよね。
スウェイバックとは、腰が前方へ移動してしまった形で、見た目としては反り腰のような形ですが、背中はまるまり、結局猫背になります。電車などでまわりを見渡すと、この姿勢で立っている人も多いですね。
両方の姿勢とも、結果的に「カメ首」のように頭部が前方に突き出し、首や肩の筋肉に無理な負担を強いることになって肩こりにつながってしまいます。
正しい姿勢とは
猫背もスウェイバックも、根本的には骨盤の位置に問題があります。猫背は骨盤が後傾(受け腰)になることで背中がまるくなります。スウェイバックは一見「反り腰」のようにみえますが、股関節が前方へと移動しているだけで、骨盤や腰の骨(腰椎)が反っているわけではありません。
猫背もスウェイバックもどちらかというと骨盤は後傾し、お尻は垂れ、お腹はポコッとでて圧迫されています。
正しい姿勢の第一歩は、骨盤を立てること。
骨盤を前傾位にすることでお尻がキュッと上がって、お腹もスラっと伸びます。そうすると背骨の曲がりは自然に解消されて胸椎がまっすぐになります。
やってみると分かることですが、骨盤を前に傾けた状態で、背骨を曲げるほうが難しいはずです。骨盤を前傾させると自然に背筋は伸びること、分かっていただけましたか??
ぜひ、鏡でご自身の姿勢をチェックしてみましょう(^^♪
・骨盤が後ろに傾いてお腹がポコッ、お尻がでれ~っと垂れてませんか?(受け腰)
・股関節の前(鼠径部)が前に突き出て、背中が後ろに移動して丸くなっていませんか?(スウェイバック)
一般的にいわれる正しい姿勢は実はしんどい
一般的な良い姿勢のイメージとは、胸をはって顎を引いて・・・という姿勢ですよね。
ただ、この姿勢をそのままやると緊張して10分と続かないのは当たり前です。
【良姿勢=しんどい、悪姿勢=楽】
という公式はホントそのとおりなのですが、いくら正しい姿勢を分かっていてもしんどくて続けられないのなら同じです。
なので、良い姿勢でも楽にとれる姿勢こそ、真に良い姿勢であると思います。
みなさんは、ちょっと姿勢を正そうと思った時どうしますか?
一度伸びをして、腰を立てて、胸を起こして「よし、やるぞ!」みたいな感じでしょうか。
でも腰を立てておくのがしんどい、、背筋を伸ばしているのがしんどい、、
姿勢を保つのに力を使うからよけいに疲れてしまう。。。
だから力を抜いて正しい姿勢を楽に保てる方法をご紹介しようと思いました。
シン・正しい姿勢は肩甲骨の位置にあった!
筆者が考える正しい姿勢は、太極拳を応用した姿勢です。
筆者自身、太極拳を20年以上やってきて、普段パソコン作業や力作業をしていますが、肩こりは微塵も感じません。その理由は姿勢によって肩首周囲の力が抜けているからです。
良い姿勢の時、巻き肩を正そうとして、あるいは背筋を伸ばそうとして肩甲骨を後ろにひいたり内側に寄せたりして、胸をはってしまいがちです。
このような姿勢を保とうとすると、首回りの筋肉や肩まわりの筋肉が無理な緊張を強いられてしまうのです。
かといって、猫背のような姿勢をとることでも首肩に負担がかかることは先述してきました。
ではどのようにすれば力が抜けるのかというと、
【 肩甲骨を左右に開く 】
ことが力を抜いてリラックスするためのコツなのです。
肩甲骨を左右に開く?どうやったらいいの?
たしかに、いままであまりしなかった動きだと思うので困惑される方も多いはず。
肩甲骨を開くことを太極拳では「開肩(kai jian)」という重要なコツのひとつです。
太極拳においては、開肩をすることで肩周りの緊張を解いて、体幹との連結性を高め、下半身からの力を腕に伝えることができるので、重要視されます。
これを利用して、肩甲骨の位置を「開く」ように意識することでリラックスした状態で正しい姿勢を保つことができ、かつ肩まわりの緊張が解けて肩こりの解消に役立つのです。
それでは、次から具体的にどのように意識すればよいかをご紹介していきますね。
肩こりを治す正しい姿勢の3つのポイント
1.「開肩」をする
一つ目のコツ、「開肩」をご紹介します。
開肩とは文字通り肩を開くのですが、まずは左右に開くよう意識してみましょう。
難しければ、少し顎を引いた状態で胸に手を当て、深呼吸して、胸を撫で下ろすように息をフーッと吐いていきます。
そうすると、自然に胸が下におりて肩甲骨が外側(左右)に開いているのが分かるはずです。
上図を見て頂くと、左側の写真では胸を張った状態。つまり背筋は伸びて一見良い姿勢のようにみえますが、胸があがってしまって緊張状態にあります。
この状態で長くいると、胸郭過拡張症(きょうかくかかくちょうしょう)といって肋骨の関節が開いてしまって息が逆に吸いにくくなります。慢性化すると、肺胞や気管支の繊維が引きのばされ最終的には肺気腫や気管支拡張症、肺炎へとつながるおそろしい状態となってしまうので胸を張る動作は控えましょう。
右の写真は胸を撫で下ろすように息をフーッと吐いて肩甲骨を左右に開いた状態です。右肩~胸~左肩のラインがなだらかに凹んだ曲面となります。
胸を降ろすと息が吸いやすくなります。なぜなら肋骨が下がった分、息が吐けており、広がる余地ができるからです。もし胸を張った状態、つまりあらかじめ肋骨を持ち上げた状態から息を吸おうとしても、先に広がりきっているのでそれ以上吸いにくくなるわけです。
開肩して胸がおさまると自然と腹式呼吸ができるので、自律神経が整いやすくなり、筋緊張が減りリラックスした状態となります。
しかし、開肩して息を吐いて胸を降ろしたら猫背になっちゃった・・・という方がいらっしゃるかもしれません。
肩甲骨は開きますが、胸椎(胸の後ろの背骨)は曲げてはいけません。猫背になった方は、息をフーッと吐いて胸を降ろすときに、背中を丸めてしまっている可能性があります。
そこで、次からの2つのポイントが必要となってきます。
2.玉枕のツボを上に引っ張る
開肩ができるようになったら、次はイメージを使ってさらに正しい姿勢をつくっていきます。
頭の後ろを触って頂くと、ボコッと出っ張った骨があるのがわかりますか?この出っ張りを「後頭隆起」と呼びます。この後頭隆起の両サイド(指2本くらい横)に「玉枕(ぎょくちん)」というツボがあります。
このツボをまず触ってみましょう。
後頭部の出っ張りの少し横にちょっと凹んだようなところがあるかと思います。わからなければだいたい指2本横くらいを触りましょう。
その2つの玉枕のツボをつかってイメージします。
玉枕のツボにヒモがついて、天に向かって引っ張りあげられるイメージです。1番目のポイントの開肩は忘れず意識しておいてくださいね。
玉枕が引っ張られると、自然に顎がひかれうなじが伸び、背筋がちょっと伸びるはずです。これによって、肩甲骨を左右に開いても胸椎が曲がらず力を抜いて伸びた状態をキープできるようになります。
3.大椎のツボを後ろ襟にそっと付ける
さいごは、大椎のツボを利用しましょう。
大椎のツボは、頭を垂れるように首を前に曲げたときに、首の後ろの付け根で一番出っ張ってくる骨のあたりにあるツボです。ここでは、この骨をとりあえず「大椎」と呼ぶようにします。この大椎のツボ(骨)を後ろの襟にそっと付けるようにしましょう。
そのようにすると、肩甲骨を開きながらも胸椎は伸び、顎は引かれて胸に緊張がない力の抜けた姿勢をつくることができます。
まとめると、開肩して、玉枕を上に引っ張り上げ、大椎を後ろ襟にそっとつける。
最後にその姿勢を維持したまま深呼吸を一回してみてください。
さらに力が抜けると思います。
どうでしょうか?初めてだとこれでできているのかな?と思うかもしれませんが、次第にしっくりくるようになります。
試しにこの姿勢から胸を少し張ってみてください。一気に肩や首に力が入るのがわかると思います。普段は肩に力が入っていることも気がつかないまま生活していることでしょう。
一度、肩の力が抜けた状態というのを自覚できるようになり、力の抜けたニュートラルな姿勢を知って立ち戻れることができれば、「ああ、力がはいっているな」と気がつくことができて修正することも可能となります。
ぜひ、この3つのポイントをまずは3日間意識して過ごすようにしてみてください。
きっと今までよりも肩まわりのしんどさが変わってくると思いますよ☆
さいごに
肩こりを解消するために、肩首の力が抜ける姿勢について説明してきました。3つのポイントを意識してもらうことは大切ですが、冒頭で述べたように肩こりは腰の姿勢の影響も大きく受けます。
今回は肩甲骨の位置に焦点をあててご紹介しましたが、腰の姿勢も「受け腰」や「スウェイバック」にならないよう意識してみてください。
座っている時も腰が後ろに倒れてリクライニングのような姿勢になってしまえば、どうやっても猫背になってしまいます。なので腰が一番重要なのですが、まずは「立腰(りつよう)」という言葉を覚えてもらって、腰(骨盤)を立てることを意識してください。
座っている時の腰の力の抜き方はまたご紹介していきます。
下半身の力の抜き方は非常に重要で、全身の緊張に関わってきますので、記事にあげていく予定です。記事になった際にはこのページからも遷移できるようにしますので、おまちください。
京都市東山区三条の鍼灸・接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU
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