二十四節気:雨水の養生

雨水の養生画像

雨水(うすい):雪解け水が大地に入り発芽

毎年2月19日頃。立春から15日経つと二十四節気の「雨水(うすい)」

雨水とは、氷雪が溶けて水となり、万物が再び蘇ろうとする様を指しています。

降る雪が雨に変わるころで、冬の間に積もった雪はとけ、温かな水へと姿を変えていきます。

しとしとと雨どいから流れる落ちる雪解け水の音の心地よさを想起しますね

雨水は、草木も芽を出し始める時期で、昔から農耕の準備をはじめる時候でもありました。

この頃、降る雨を「甘雨(かんう)」といって、やわらかく降りそそぐこの雨は、穀物や草花の成長を助けてくれます☆

このように、今まで陰気が強く寒い気候であったのが、ようやく陽気が長じて温かさがでてきて、万物が芽生える時期ということができます。

ただ、変化の激しい時期で、まだ気候も安定せず、体調を崩しやすい時期なので、しっかり養生していきたい季節ですね!

この時期、温かさがでてはくるものの、風が吹き乾燥してきます。皮膚や舌が乾燥し、スギ花粉も飛散しだすので、唇や肌が荒れることが多い時期なのです。

なので、体の水分を補給するために、新鮮な野菜や果物を意識的に食べるといいですよ♪

大棗(ナツメ)、山藥(ヤマノイモ・ナガイモの根を、外皮をはぎ乾燥させた漢方)、蓮の実、ニラ、ほうれん草、香椿(チャンチン)、豆苗、春菊、ナズナ、春筍、レンコン、ダイコン、クワイ、サトウキビなどがこの時期にオススメの漢方や食材です。

雨水の時期のおススメ食養生

雨水の時期は、肝木の気が強くなり、脾胃(消化器系)の働きが弱まるので、消化に良い食べ物がいいとされます。

特に粥が良く、脾と胃を滋養して補ってくれます🤗

①枸杞粥(クコがゆ)

適量のクコの実と粳米を煮て粥にします。朝晩適量を食べましょう。枸杞の味の性質は甘・平で、肝と腎を補ってくれるので、虚労陽痿を治して、血糖値とコレステロールを整えて肝細胞の新生を助けて保護してくれます。

②紅棗粥(ナツメがゆ)

ナツメと粳米を煮て粥にし、朝晩適量を摂りましょう。ナツメは気力を補って益する作用がとっても強いので、特に子供の成長発育に大きなメリットがあるほど😊

血を養って精神を安定させ、慢性病で弱った身体を益して、脾胃虚弱の人も定期的にこの粥を食べるといいと言われます💪🏻

中国の古いことわざに、「一日吃三棗、終生不顕老」

(一日に3つナツメを食べると老けない)

といわれるほどで、ナツメは美肌効果も高いとされています。

この時期の最高の補養の食品で、煮てスープにして飲んだり、ナツメ茶を飲んだりして、春は常に服用していると、健脾して潤いを保ち、補中益気の効果が期待できるので、超オススメです🤭

雨水の時期の精神面の養生「十二少」

雨水の時期は、まだ寒気が残り暖かくなりはじめるとはいえ、三寒四温といわれるように、暖かさ寒さが交互にあらわれ天候気温の変化が大きい時期です。

天気の変化につられて、人の情緒もうつろいやすく、心神不安となりやすい時期でもあります。

東洋医学の基本的な考え方では、春は肝の時期なので、イライラしたり、落ち着きがなかったり、不眠や眩暈など身体の気血のバランスが頭の方に集まりやすく、気が上に高ぶってしまい、自律神経の乱れなどに悩まされます。

「十二少」という教えがあり、『少有経』には「少思、少念、少欲、少事、少語、少笑、少愁、少楽、少喜、少怒、少好、少悪」という十二の心がけが健康維持の要であると説いています。

天の気がうつろいやすい時期、人の心もうつろいやすく、情志があちらこちらに散ずると気も散ってしまうので、精神のコントロールが重要とされています。

この十二少を実行するのにおすすめなのは、毎朝毎晩の軽い「瞑想」です☆

椅子に座ってもできますし、座りやすいように座禅を組んでもかまいません。姿勢だけはまっすぐにしましょう。

軽くうなじを上に伸ばすだけで背筋は勝手に伸びます。

そして、自分の呼吸や、薄く目を開けて斜め下をみて目に映るものにだけ意識を向けて、数分間、自然呼吸を繰り返すうちに、次第に呼吸が自然に長く細くなるまで続けてみましょう。

終わるときは、お腹に両手をあてて、ゆっくり軽く3回、お腹を圧迫して「フッ、フッ、フーーーッ」と鼻で息を吐いてからゆっくり深く吸って吐いて瞑想を終えます。

雨水(うすい)の時期の養生ツボ

雨水は、春の陽気の芽生えを助ける「陽関(ようかん)」というツボがおススメです。

腰陽関と足陽関の二つがありますが、どっちでもかまいません。

今回は腰陽関をお伝えします。

腰陽関は、腰のくびれを下になぞると骨盤の上縁に触れますが、その左右の骨盤の上縁の高さを結んで、腰背部の真ん中にあるツボです。

お灸をする場合は、火傷や服を燃やしてしまわないよう十分に気をつけて、台座灸に火をつけてから、後ろに手をまわして陽関の位置にすえます。

まだまだ身体に冷えの影響が残る頃なので、ぜひお灸習慣をつづけて自分でも健康を維持してまいりましょう!

京都市東山区三条の鍼灸・接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU

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Nagahama
はじめまして、鍼灸・接骨院「白澤堂HAKUTAKUDOU」の院長・長濱です。 当院では、東洋医学の幅広い知識を現代に活かし、皆様の健康を支える施術を行っております。気血のバランス、骨格のバランスを整えて本来の正常な機能と動作を取り戻すことが大切です。心身のお悩み、お気軽にご相談ください。