ちまたでよく聞く自律神経失調症。なにそれ、私も当てはまる?
名前は聞いたことあるけど良く分からないという人もいるでしょう。今回はそんな自律神経失調症って何?っていうところから原因からセルフケアまでを網羅してお伝えします。
セルフケアだけ知りたいという方は、目次の「3分で調える自律神経失調症の方法」をご覧ください。
目次
自律神経って何なの?
自律神経っていうのはな、その名のとおり意識しなくても勝手に調節してくれる神経や。呼吸とか体温とか血圧なんかをいちいち自分で考えて調節しなあかんかったら大変やろ?それを全自動でやってくれてるのが自律神経や
なるほどー、ていうことは、自律神経失調症というのは、勝手にやっていてくれたからだの調節がうまくいかなくなるということ?
そや。自律神経が乱れたら、安静にしてんのに心臓ドキドキしたり、胃腸の調子が安定せえへんかったり、突然身体がほてったりとか、いろんな不快な症状があらわれるんや
大変!いったん狂ってしまった自律神経のバランスは戻るのかな?自律神経のこともっとおしえてよ
自律神経の詳しい話は情報がようさん転がりまくってるから、今回は崩れてもーた自律神経のバランスをととのえる方法を中心に、紹介するで~!
自律神経には交感神経と副交感神経がある
自律神経は、環境の変化に応じて意思とは無関係にベストな状態に調節してくれる神経です。そのおかげで、わたしたちはいちいち考えなくても、外界の変化に応じて体温調節や心拍数をあげたり、ホルモンをバランスよく分泌したり、消化や吸収といった働きができているわけです。
ではどのように調節しているかというと、車で例えればアクセルとブレーキのような関係で、機能を亢進させたり、抑制させる2つの相反する働きによって調節しています。
それが、交感神経と副交感神経であり、交感神経は車のアクセル。副交感神経はブレーキで例えられます。
つまり、交感神経は活動するときに働く神経であり、副交感神経は休息やリラックスするときに働く神経です。
自律神経が崩れるとどんな症状がでる?
自律神経失調症の症状は上の表のようにさまざまで、日常よく起こりがちな症状でもあります。こうした症状がありながら、病院に検査にいっても疾患がなく異常なしとなった際に自律神経失調症である可能性があります。
自律神経が失調する原因は?
自律神経が乱れる原因は、簡単にいえば身体の悲鳴といえるかもしれません。
超ストレス社会と呼ばれる現代は、精神的・身体的両方のストレスが過剰にかかっています。
人間関係や生活習慣などのストレス、昼夜が逆転するような生活、仕事に限らず受験や介護や家庭でのストレスなど、さまざまな問題を抱えながら皆生きています。
常に過度な緊張を強いられていたり、身体を酷使していることで、交感神経と副交感神経の切り替えと調節がスムーズに働かなくなった場合に起こります。
いま自分が感じているストレスや、生活習慣で感じるところをまずは紙に書き出してみましょう。このとき、人の目を気にせず、思いついたことはどんどん書いていきましょう。
自分がどれだけ頑張っているかがわかるはずです。それだけストレスを受けたり、乱れた生活習慣があるということです。
ただ、じつは、ストレスを書き出しても、精神的なストレスを減らす方法はなかなか見つからなかったりします。
なぜなら、精神的なストレスを減らせるならすでにやっていますよね。なかなか変えようと思っても変えられないことが多いことにも気が付くはずです。
しかし、書き出すことによって、自分が何にイライラしているのか、何を大切にしているのか、何に対して嫌な気持ちになり、何を望んでいるのかがわかるだけでもよいのです。
反対に、生活習慣については少し工夫して見直してみることで、改善できることも見つかりやすいです。
自分の場合、どんなストレスや生活習慣が原因となっているのかを知るところから始めてみましょう。
3分で調える自律神経失調症の方法
呼吸が自律神経をととのえる
自律神経失調をととのえるうえで最も大切なことは、呼吸です。
心身一如という言葉があります。心と体はきっても切り離せないという考え方ですね。
いったい、心と身は何で繋ぎ止められているのでしょうか?
ちょっとスピリチュアルな話となりますが、興味のある方は読み進めてみてください。
心と身のうち、心は見えないもの、身(体)は見えるものです。
見えない心と、見えるものである身(体)をどのようにして一体にすることができるのかというと、心と身の間には「気」があり、気が心身をつなぐことができるただ一つのものです。
気=息ということで、生命(アニマ)には、4種類の息があると言われています。
① 風 = ハアハア、スースーという音が聞こえる息。
② 喘 = 滞る。短かったり長かったりスムーズでない息。
③ 気 = 座禅して座れば落ち着く。でもまだ呼吸の音が聞こえる。
④ 息 = さらに深くなる。音もない呼吸。
自分の心=「息」という字がでてくる
④番目の「息」は、音のない非常に深い呼吸です。この呼吸の時、心と身はつながります。
最後には吸っているかも吸っていないかも忘れてしまい、意識はあるけれど身体が消えるような感覚です。
以上は修行の末習得できるかできないかというような極端な話で、難しい話をしてしまいましたが、気功の世界ではこのように考えられています。
極端な例でなくとも、焦った時や緊張が強い時、大きく深呼吸することで精神を落ち着かせ、身体の緊張を解くというような行為は誰しもが自然に行うことです。
パソコン業務や集中してしまったり、仕事や人間関係でストレスをため込んでいるとき、呼吸が浅くなってしまっていることでしょう。
これでは自律神経が常に緊張してしまい交感神経優位にスイッチが切り替わり続けている状態です。
今回は、交感神経優位に切り替わってしまったスイッチを、強制的に副交感神経優位に切り替える効果的な呼吸法をご紹介したいと思います。
自律神経を調える呼吸法「密息」
密息という方法があります。これは古来日本人が行ってきた特別な呼吸法です。
本格的な方法は訓練が必要ですが、ここでは自然体で日々簡単に行えて効果も感じられる方法をご紹介します。
くわしく知りたい方、実践したい方は少なからず書籍などもでていたりしますのでご参考ください。
密息とは、簡単にいえばお腹を張り出したまままったく動かさないで呼吸を静かに行う呼吸法です。
【実際の方法】
まず、最初は膝や腰をピンとのばさず肩幅ていどに足を開いて、無理にあごを引かず、リラックスした状態で立ち、お腹の前に手をあてましょう。背筋を伸ばした良い姿勢というよりは、やや腰を丸めるような力を抜きやすい姿勢でかまいません。
この状態で、息を自然に吐いてみて、次のことをチェックしてみてください。
①息を吐くときに下腹が凹みますか?
②息を吐くときに下腹が膨らみますか?
②の息を自然に吐いたときに下腹が膨らむ方は、密息の素地ができています。息を吐いてお腹が膨らむ方は、膨らんだお腹を張り出したままうごかさずに息を吸いましょう。
①の息を吐いたら下腹が凹む方は、息を吸ってお腹を張り出してから、その張り出しをまったく変えずに息を吐いて、吸ってを繰り返しましょう。より下腹を突き出す意識がよいです。
①②のチェックを終えたら、最初のうちはお腹に手をあてて、お腹が動かないことをチェックしながら、腹を張り出したまま動かさずに吸って、吐いてを繰り返します。
普段動かしている、外からみえる呼吸の筋肉は動かさずに、横隔膜という深層の筋肉だけをつかって静かに呼吸します。まるであなたが忍者になったかのように、気配を消したかのように、静かに、吐く息をできるだけ長く。。。
最初は3分。
短い時間でいいので、集中してやってみましょう。集中といってもリラックスして、気が散らない環境でおこなってみてください。慣れれば座った状態でもどこでもできます。
次にチェックするのは、身体の上半身や下半身の緊張をしていないかどうかです。下腹を張り出すことに集中すれば、他の部分に意識がいかなくなり、力を抜けるようになります。
お腹に当てていた手をゆっくり自然に左右に広げて、緊張をときましょう。
その状態で、普段は意識していなかった周囲の音や動きを敏感に感じ取り、自分がまわりと一体になっている感覚を味わいながら、呼吸を続けてみます。
以上が、自律神経をととのえる呼吸法の具体的な方法です。最初はこれでやり方があっているのかな?と迷うこともあるかもしれませんが、ポイントはお腹を張り出し動かさずに静かに呼吸するだけです。まずは一週間、3分だけ時間をつくっておこなってみてください。だんだんコツがわかってきて、実践中に心地よい感覚が感じられるようになるはずです。
その他の自律神経に効く健康法
リズム運動
リズム運動は、脳の興奮を抑えて心を落ち着かせるセロトニンの分泌に寄与します。
リズム運動にはどんなものがあるでしょう??
代表的なものには、呼吸・咀嚼・歩行があります。
呼吸法は解説しましたね。
咀嚼は、よく噛むことです。顔面から頭の血行もよくなり、また歯からの刺激が脳を刺激して、唾液の分泌をうながし、消化を助けます。
歩行もリズム運動です。何も持たずに15分、気のむくまま、足のむくままの場所にあるいていきましょう。歩幅を普段よりも広めにとります。前足を少しだけ遠くにだすような心持ちで、出した前足に体重を載せていくように歩きましょう。
他にどのようなリズム運動があるでしょうか?
実は、お行儀が悪いとされるびんぼう揺すりも、リズム運動です。イライラしているとき、落ち着かないときに、貧乏ゆすりをしませんか?これもリズム運動で、精神を落ち着かせる作用があります。ふくらはぎを周期的にうごかすため、血行促進にも役立ちますね。
拍手を意味もなくやってみましょう。手をパンパンとリズムよくたたく刺激が意外と気持ちのよいものです。拍手が終わったら、リズミカルに身体のあちこちを手のひらでたたいてみましょう。
タップダンスは、足でリズムをとりますね。タップダンサーは、踊った後、リラックスした放心状態になることもしばしばあるそうです。これは、足のうらがアースの役割となっていて、身体から地面へ放電することによって余分なエネルギーを放出できるためといわれています。
やはり、どうこういっても、身体を動かすことが大切ですね。
ストレス過多のあなたには、頭部冷却
これは、文字通り「頭を冷やす」というやつです。
ストレスを受けていると、脳が極度に働いて疲れます。放っておくと、脳は働かなくてもよいときにも働きつづけ、機能障害をおこします。
そうすると、脳には電気的なエネルギーや代謝によって生まれるエネルギーなど、過剰なエネルギーが脳内に蓄積され、熱と変わりうつ熱状態となります。
氷による頭の冷却は、こうした過剰なエネルギーを抜いて脳の働きを正常化させるのに非常に有効かつ安全な手段です。
身体を「冷やす」という行為に、拒絶反応を起こす方もいらっしゃるかと思いますが、だまされたと思ってやってみてください。スーッと頭の熱が抜けていくとともに楽になって、気持ちも身体も軽くなります。
やり方は、ハンディ氷嚢(アイスバッグ)を用います。(アイスノンや保冷剤などは極力使わないことをおすすめします)
氷をしっかり氷のうにいれ、水をいれることで空気を抜きます。
直接、首筋の後ろ(後頭部と首との間くらい)に氷のうに当てます。最初はヒヤッとして驚きますが、すぐに落ち着きます。人によっては、だんだんと痛みを感じるようになり、そして何も感じなくなります。
最初のうちは約20分、氷冷してみてください。身体は冷えないよう、保温はしっかりおこなってください。
鍼灸治療を受ける
上記のどれをためしても、どうしても、自分自身で自律神経をととのえられないことはあります。
そういうときは、鍼灸治療も選択肢のひとつと考えてもらえれば嬉しいです。
鍼灸は、皮膚を通して加えられるその刺激自体が脳へ作用し、痛みを緩和し、血行促進させ、自律神経を調える効果があります。
鍼灸の方法にも様々あり、古流の流派のやり方では、
脈やお腹や舌などをみて、身体のバランスの乱れ方を仔細に判断してから、ツボにはりやお灸を施し、気や血のバランスの偏りを正すことで回復力を目覚めさせ、結果的に自律神経がととのうようになります。
針というと、逆に緊張してしまう方も多いのではと思います。また、効かなかったら嫌だなという気持ちもわかります。
鍼灸院にもよりますが、日本の鍼はとても細く、響きも少なく、痛みも少ない刺激が多いです。最初に鍼による刺激に不安があることをちゃんと話してみてください。
絶対鍼はいや!という方は、刺さずに治療する鍼灸治療があり、先も尖っていない鍼を使うため痛みはゼロです。それでいてリラックスできて身体はきちんと調う方法を採用しているところも最近は増えてきていますので、問い合わせてみることをおススメします。
切れ病んだのこぎりで木を切ろうとしても、効率が悪くよけいに時間と労力を使ってしまいます。自分をメンテナンスする時間も作ってみることで、結果的にパフォーマンスが上がることがありますので、刃を研ぐことを意識してみてはいかがでしょうか。
ねぇねぇタクくん、自律神経失調症ってよく聞くけど、自律神経ってそもそも何なの?