腰痛とさよならできる正しい歩き方のコツ

1996年から2016年の20年間で中高年を中心にウォーキング人口は倍以上になっているなど、ウォーキングを実施している方は増えてきています。近年でも新型コロナウイルスの流行により、運動不足を解消するためウォーキングを始めたという人も増えてきているようです。

ウォーキングはそれだけで健康上の効果を発揮するものですが、今回の記事では、正しい歩き方を身につけることで、骨盤を正しい位置に定着させ、腰痛を解消する効果をグンとupできるので、詳しいウォーキングフォームのポイントや、推奨される歩行時間について解説していきます。

歩くだけで腰痛が改善する?!

実は筆者自身、お恥ずかしい話ですが、治療家でありながらひどい腰痛もちで、過去に何度も立てないほどのギックリ腰で倒れ、患者さんの施術中に急な激痛が走って地面に倒れてしまったことすらあるほどでした。

一度腰痛を起こすと1週間から2週間は痛みが持続し、仕事もままならない日もあり、患者さんやまわりのスタッフや家族にも迷惑をかけてしまい申し訳ない思いと情けない思いを味わっていたのです。

整体やマッサージを受けにいったこともありましたが、腰を触られた翌日は余計に痛くなることが多く、一生懸命やってもらった先生にも申し訳ない思いでしたが、自分の腰を「ガラスの腰」と呼んでいた時期もありました。笑

このまま年齢を重ねて筋力が衰えれば余計に悪くなり、仕事も満足に続けられないのじゃないか…

職業柄前かがみ姿勢が多いとはいえ、治療家でありながら腰痛持ちなんてかっこ悪すぎる…

これはなんとかしなければ、という思いで、

ある日から自分の腰痛を治すための勉強を重ねました。

そうして、

あれほど不安定で華奢だった私の腰が、現在では痛みを感じることがほとんどなくなり、生活や仕事にまったく影響しなくなっているのは、骨盤に関するある重要なことを学んだことと、「ウォーキング」が大きく関わっているのです。

もちろん、今でも施術中には90度ほど深く腰をかがめて整復する姿勢や、前傾姿勢で鍼治療をしますし、休みの日には4時間くらい椅子に座りっぱなしの時もあり、当然腰の具合が今日はちょっと良くないなという時はあります。

そんな時は通勤の行き帰りの時に正しいフォームを意識してウォーキングするだけで、翌日か翌々日には腰の痛みは忘れてしまっています。痛みのかけらもありません。

通勤中でも歩いている時間は15分から20分ほどです。

ほんとうに、歩くだけで腰痛って良くなるのです。

腰痛の定義

ここで、みなさんの思う「腰痛」と私が認識している「腰痛」とでは、少し場所の違いがあるので腰痛の定義というか場所を述べておきます。

図に示すように、腰痛は赤丸で囲まれた部分のことをいいます。
その下の青丸の部分の痛みは臀部痛(でんぶつう)といい、下肢痛の範疇に入るので腰痛とは区別しています。

臀部痛(下肢痛)と腰痛では重症度が異なるのでこのように区別しています。
腰痛は比較的軽症ですが、臀部痛を含む腰痛は比較的重症な場合があります。

あなたの場合はどちらでしょうか?

臀部痛がある場合、原因が異なることもあり、今回お伝えするウォーキングの方法では治りにくいこともあります。ただ、臀部痛であっても歩行(ウォーキング)は改善にあたり重要なのでおススメします。

腰痛のメカニズム

ぎっくり腰を含め慢性的な腰痛まで、これらはどのような機序で発生するのでしょうか。

根本的な腰痛のメカニズムは、簡単にいえば骨盤のズレによるものです。
特に、骨盤が前に回転してゆるんでしまう状態によって腰痛が発生します。

骨盤のズレは大ざっぱに分けて、前に回転してズレるタイプと、後ろに回転してズレるタイプがありますが、基本的に腰痛をだすのは前に回転しているタイプです。

骨盤は前に回転すると、関節がゆるんでしまいます。
関節がゆるむということは、骨盤の機能である上半身の荷重をしっかりと受けて支えることができなくなるため、神経を引っ張って刺激したり筋肉の負担が大きくなり、腰痛を自覚するようになります。

「腰痛=骨盤がゆるんでいる」ということは理解していただけたでしょうか?

ということは、骨盤が前に回転するのを防いでゆるまない姿勢をとったり、ゆるまない環境をつくってあげれば腰痛はなくなるということです。

腰痛の原因となる骨盤がゆるむ姿勢や行為とは

腰痛の原因となる姿勢や行為を知っておくだけで受傷の回避につながります。ぜひご自身にどれくらいあてはまるかチェックしてみてください。
骨盤がゆるむ姿勢・行為には次のようなことがあります。

  • 前かがみ姿勢や重いものを持ち上げる動作
  • 長時間の座位
  • 長時間の臥位
  • ソファやリクライニングなど深く腰掛けて後ろにもたれかかる姿勢
  • 自転車
  • 妊娠・出産
  • 反復する咳嗽(せき)やくしゃみ
  • 全身麻酔
  • 腰を温める行為

前かがみや猫背などの不良姿勢で骨盤は前に回転してゆるみます。深く腰掛けたリクライニングの安楽姿勢はリラックスできますが、腰痛になりやすい姿勢です。

風邪や不調で長時間寝た場合も長軸方向への荷重がなくなるため、骨盤はゆるんでしまいます。

自転車はサドルが骨盤を下から支えるため、くさびを打つように開いてしまいます。

最後の「腰を温める行為」は意外に思われることと思います。カイロや長時間の入浴などで温めることで筋肉はゆるんで一時的に楽にしてくれますが、骨盤の関節は熱で膨脹するためゆるくなります。慢性的な腰痛がある方は、腰を直接温めていないか今一度チェックしてみてください。

正しいウォーキング(歩行)の方法

いよいよ腰痛に効くウォーキングの具体的な方法について解説します。
ポイントはいくつもありますが、全部お伝えすると実践しづらくなるので重要なポイントに絞ってお伝えします。まずは下の図をご覧ください。

  • 踵から接地する
  • 足先は開いたり内に入らず真っ直ぐに
  • 一線をはさむように歩く
  • 腰(骨盤)から脊骨をわずかに前傾させる
  • 前足に体重を載せるように歩く

ひとつずつ解説していきます。

歩行の時は必ず踵から接地しましょう。一線を挟むようなイメージで足先をまっすぐにして歩きます。

大切なことは、足から歩くのではなく、腰(骨盤)主導で歩きます。
骨盤をわずかに前に傾けることにより重心が前方へ偏位することで推進力が生まれます

足は骨盤につられて自然に前にでていく感じです。

そしてもう一つ大切なポイントは、踏み出した前足に体重を載せていくことです。骨盤(腰)から体幹を前傾させたことによって出した前足に体重が載っていくことが非常に重要になります。

この過程で、骨盤に適切な荷重がかかり、関節が滑りやすくなり、骨盤のゆるみが解消されると同時に正しい位置へと整復されます。

最初は歩幅は狭くてよいので、慣れてきたらだんだん歩幅を広くしていってみましょう。より効果が高まります(無理に広げないでください)。

多くの方は、足(脚)から前に出すので、どちらかというと体幹が後傾してしまっているので骨盤が締まるような荷重がかかりません。これではせっかくウォーキングしているのに非常にもったいないことです。

慣れないうちは感覚をつかむのが難しいかもしれませんが、「出した前脚に乗る」ということを意識しながら骨盤から進んでいくように練習してみて下さい。

時間は理想は43分間の連続歩行が望ましいですが、なかなか時間がとれない方は15分でもいいので始めてみてくださいね。

ウォーキングだけでは改善が難しい腰痛

  • 外傷(ケガ)要素を含む腰痛
  • 一部の産後腰痛

上述の腰痛は、重症度が高く、また骨盤のズレの方向が異なるために、今回お伝えした歩行だけではなかなか改善しにくいところはあります。

ここで外傷(ケガ)というのは、過去のどこかで(小さい頃も含めて)尻もちを衝いて転けたとか、転倒して膝頭を打ったとか、高所や階段からの転落、車や自転車などの事故、スポーツ事故など、加速度を伴う外力が過剰に加わった場合のことを指しています。

骨盤が前方に回転してでている腰痛もあれば、後方に回転してでている腰痛もあり、今回お伝えした歩行方法は、基本的には骨盤が前方に回転してゆるんだタイプの腰痛に効果があります。

後方に回転したタイプの腰痛の場合は、歩幅を広くして歩くと逆に腰痛が悪化することもあるので、そういう場合は歩幅が広くなりすぎないよう調節して歩くことをオススメしますが、自分はどのような状態だろうと分からない方は、当院でどのような歩き方があなたに合っているのかお伝えしますので、お気軽にご相談ください。

とはいえ、歩行自体が回復の礎(いしずえ)となりますし、普段から歩行している人は多少ズレがあってもものともしないので、キャパシティを増加させることで身体を守ることにつながります。

骨盤をきちんと治してから歩こう

当院では骨盤の異常に対して整復処置しております。

骨盤の異常を除去したうえで歩行することでよりウォーキングの効果をグンと高めることができるので、ぜひ施術を受けることもご検討ください。

鍼灸・接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU
〒605-0011 京都市東山区七軒町17-1
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ABOUT US
Nagahama
はじめまして、鍼灸・接骨院「白澤堂HAKUTAKUDOU」の院長・長濱です。 当院では、東洋医学の幅広い知識を現代に活かし、皆様の健康を支える施術を行っております。気血のバランス、骨格のバランスを整えて本来の正常な機能と動作を取り戻すことが大切です。心身のお悩み、お気軽にご相談ください。