目次
長引く咳が増えています
コロナウイルスが流行する中、普通の風邪の後などで咳が止まらないと仕事や生活に困ってしまいますよね。私自身、昔から気管支が弱い体質なので、風邪をひいた後に長い期間咳がとまらず悩んでいた時期がありました。
また、寝ると咳がひどくでてしまいなかなか寝られない、なんてことも経験しています。日々みさせていただく患者様の中にもそのような方がいらっしゃいました。
今回はそうしたときに自分自身で試してみたり、患者様にご紹介して効果の高かったツボをご紹介していきたいと思います。
そもそも咳はなぜでるの?
咳は、異物や痰などを気道から排出して守るための大切な防御反応です。
身体は気管支や肺を守るため粘液で異物や病原菌や役目を終えた白血球などをくるんで咳によって積極的に出そうとしてくれています。だから咳自体はすぐに止めないほうがいいと考えます。しかし、近年咳が必要以上に長引いてしまうということが増えているようです。
通常の風邪は5日ほどで症状が落ち着き自然治癒します。しかし、人によってはその後3週間ほどは咳が出続けて、夜が眠りにくかったり日中に咳がでて困ることがあります。
3週間を超えて咳が出続ける場合は、風邪以外の原因が考えられますので注意してください。
3週間以上続く咳には要注意
3週間以上続く咳には、
- 肺・気管支炎(マイコプラズマなども含む)
- 気管支喘息
- 結核
- 咳喘息やアトピー性咳嗽などのアレルギーによるもの
- 副鼻腔気管支症候群
- 逆流性食道炎
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
など風邪以外の原因が潜んでいる可能性が濃厚です。中には重篤で命に関わるものがありますから、咳が長引く場合は迷わず病院に受診してくださいね。
咳が止まらず長く続く理由
上記のうち、咳喘息やアレルギーによって長引く咳も近年増えてきています。
ホコリや冷たい空気、湯気や冷たい飲み物などで刺激を受けると、ひどく咳き込んだりします。
これらの誘因以外に、私はストレスがかなり大きく関わっていると感じています。
仕事をしていると、本人の意識のあるなしに何かしらストレスを感じていることでしょう。中には仕事以外にも家庭内においてもストレスはありえますよね。人間関係があれば、ストレスはつきものかもしれません。
ずーっとストレスを受けていると、元気な時は意識しませんが、風邪や病気で体調をいったん崩してしまった時などは非常にこたえるものです。
風邪などで一度喉に炎症を起こしてしまい咳の反応がでると、もともとは身体を守るための反応であったにも関わらず、気管支や血管が収縮しやすい状態となってしまいます。
それでも咳くらいでは休んでいられないと頑張ってしまうと、普段なら大丈夫だったストレスにいつも以上に敏感に反応してしまい、よく車のアクセルの働きとたとえられる交感神経が興奮して気管が収縮し咳が止まらなくなってしまうのです。
このような場合には、無理をせず気を静めて休暇をとることが一番よいと思います。コロナの時代、咳をしていればそれを理由に休みやすくなった、ともいえるかもしれません。
とはいえ日常や仕事も大切。長引く咳をいち早くとめるために、今回私が自分で実践してよかった事柄をお伝えできればと思います。
咳を止めるツボ
まず咳を止めるのに効果的なツボをご紹介します。
1つ目は天突(てんとつ)。ここをうまく刺激できればかなり楽になります。
左右鎖骨の間のくぼみ。まっすぐ押すと苦しいので、指を少し下に曲げて斜め下に押すようにしてみましょう。
2つ目は中衝(ちゅうしょう)。
中指の爪の付け根で、親指のある側にとります。中指の先端でもかまいません。
同じ手の親指の爪を使ってぎゅーっと痛いくらい押します。
3つ目は少商(しょうしょう)。
照海などと合わせて喉の炎症をとりやすいツボです。親指の爪の付け根の外側。本来はここから血をだすとスーッとスッキリします。
反対側の親指の爪を使ってぎゅーっと痛いくらい押します。
4つ目は孔最(こうさい)
のどの痛みや、咳などに効くツボです。こちらは写真あたりの痛い場所をみつけてぐーっと押しながらリラックスした姿勢で気持ちを落ち着けて刺激を行います。
5つ目は雲門(うんもん)。
赤い点で示すところが雲門ですが、点でとらえるより面でとらえ、鎖骨の下の黄色の枠線あたりのエリアでコリコリと硬いところを指で緩めてあげることで、胸や首まわりの緊張がとれてスッとします。
ツボの押し方に関しての詳しい内容は下のブログを参考にしてみてください☆
東洋医学的に痰がからむ咳をとめるには?
一口に咳といっても、痰がからまない乾いた咳(乾性咳嗽)と、痰がでる咳(湿性咳嗽)で分かれます。
痰がからむ咳の場合、痰を止めなければなかなか咳が止まりません。咳も痰も、細菌・ウイルス・異物などを排出する防御機構であると述べましたが、気道の炎症が続いて長引く場合は止めたいですよね。
東洋医学的に、痰はどのようにできるのでしょうか。
東洋医学では、痰は肺と脾が大きく関わっていると考えます。
「肺は生痰の源」、「脾は貯痰の器」
といわれるくらいなのです。
つまり、肺と脾の状態を良くしないと、痰がいつまでもつくられてしまうわけです。
もっと言えば、胃腸に負担がかかって消化できずに残った湿(しつ)が痰を生んでしまい肺に上って咳がでることになります。だから、痰がからむ咳があるときはお酒や食べ物を控えなければなかなか止まりません。
脂っこいものや味の濃いもの、炭水化物や甘いものなども一定期間控えると早く止まりやすくなります。
そこに加えて、今回ご紹介するツボを組み合わせて繰り返しお灸することで、痰を早く止めて結果的に咳をとめることが期待できます。
去痰して止咳の効果があるツボの組み合わせの一つは、太淵+豊隆です。
太淵は肺に直結するツボです。豊隆は胃のツボで脾とつながり、湿を取り除いて下に流してくれるので、去痰の名穴として昔から親しまれています。脾臓なので三陰交や陰陵泉もいいのですが、脾はどちらかというと上に上げてしまうので、下におろしてくれる胃のツボの方がよいと考えます。もちろん脾のツボも使っても大丈夫ですよ☆いろいろと自分で試してみるのも面白いですよ。
■太淵(たいえん)
手首のしわの上で、親指がわのところにあります。自分で押してみて、凹んでいたり中が空洞のようにぺこぺこ凹む側の手首のツボにお灸しましょう。
■豊隆(ほうりゅう)
膝を曲げた時にできる膝のお皿の外側のくぼみと、外くるぶしとを結んだ線との中点くらいにあります。
すねの前の筋肉の膨らんだ中央くらいに位置しています。
痰の原因となる湿邪を取り除き、去痰(痰を取り去る)の特効穴でもあります。
特別理由がなければ、左側の脚のツボを使うとよいでしょう。
痰が気になる場合は、上記のツボを、一日1~2回市販のお灸などでやってみてくださいね!
咳の原因の一つ「胸郭過拡張症」
聞きなれない言葉と思いますが、咳が長引いてしまう原因のひとつに「胸郭過拡張症」というものがあります。
簡単にいえば、肋骨が広がってしまっている状態です。肋骨が広がると吐くことも吸うこともしづらくなり、ぜーぜーとした苦しさを伴います。
原因としては、腰・骨盤の問題、猫背など姿勢の悪さ、胸式呼吸、口呼吸の方、ぶらさがり/つかまり動作、過度なストレッチや運動、その他胸を開く動作が考えられます。
胸郭の拡張を治すには、肋骨や背骨の整復をしなければなりませんが、自分でできる簡便な方法もありますので、ご紹介します。
通常は、吸気障害か呼気障害かをたしかめてから治療を行いますが、この方法はどちらにも有効です。
- 両手を胸の前で自分を抱きしめるように組む。脇をしめて、両腕が身体にピッタリとあたるようにして、肩を落とす
- 息を完全に吐き切り、肩と胸を落としていく
- 胸(胸郭)にしっかり圧がかかっていくのを感じたら、腕はそのまま胸郭を押さえておき、鼻から息を吸います。
- これを5回繰り返す
ポイントは、しっかりと胸郭が下がるように圧がかけられるか、です。ぜひ試してみてください。
長引く咳をとめるために
先で触れましたが、風邪などの後に咳が長引いてしまう場合、ストレスも大きく関わっていることがあります。
知らぬ間に首や肩に力が入って、浅い呼吸となっていることも多いのです。
そんなときは、まずは身体をクネクネしたりして、肩の力を意識的に抜いてみましょう。力が抜けた状態でゆっくりと、細く長く深い呼吸をする時間をつくると、自然と力が抜けてきます。
交感神経の高ぶりを抑え、咳が繰り返し出続けてしまう悪循環を断ち切りましょう。
仰向けでは咳が余計にでてしまうこともあります。咳がでている間は横向きで寝るのも手です。また、冷たい飲み物、とくにビールやお酒などを、咳が長引いている期間に飲むと余計に悪化します。お酒がお好きな方は、咳がでている間は我慢して、治ってから飲むようにしましょう。
また、鼻づまりや後鼻漏、蓄膿など鼻の症状がある場合には、鼻の炎症が喉に悪影響を及ぼしている可能性も高いです。
鼻汁には咳を誘発する成分がありますので、まずは耳鼻科などに受診して鼻が関係しているかを診てもらい、治療を受けるのも大切です。鼻うがいなどで鼻腔上部を洗浄することもかなり効果的ですよ☆
さいごに、3週間以上咳が止まらない場合は、上述したような風邪以外の原因(中には危険なものも)が考えられますので、病院を受診しましょう!
京都市東山区三条の鍼灸・接骨院 白澤堂HAKUTAKUDOU
▼▽▼白澤堂の公式LINEアカウント▼▽▼白澤堂の公式LINEに登録
ご予約・ご相談にお使い下さい。お得なクーポンや健康情報を配信中♪
コメントを残す