職場でパソコン作業をこなして、細かい資料ともにらめっこ。家に帰ってからはスマホの画面をみてばかり。現代人は、とにかく目を酷使しています。
目の疲れが蓄積すると、目の症状+目以外の症状が頑固に続く「眼精疲労」に悩まされるリスクが高まります。
目以外の症状で代表的なものが、「頭痛」です。日頃ディスプレイをよくみる方で、疲れとともに頭痛がよく起こる方は、今回ご紹介するツボ押しやお灸を是非トライしてみてください。
目次
疲れ目と眼精疲労の違い
疲れ目と眼精疲労って似たような印象を受けますが、実は違うものです。
休んだら回復する一時的なものが「疲れ目」、休んでも回復せずに目が痛くなったりかすんで見えにくい、肩こりや頭痛、ひどい場合はめまいや吐き気を催す程度のひどいのが「眼精疲労」です。
東洋医学では、目は五臓六腑の精気の出口とされています。目を酷使しすぎると、精気を消耗し、涙が枯れ、視力が低下します。そのため、休んでも簡単には回復しません。全身のエネルギーが消耗された状態だからです。
こうした状態を放っておくと、極度の疲労状態からより深刻な不調へと発展する可能性があるため、はやいうちから対策をしておくことをオススメします。
よく聞くドライアイとは
東洋医学において、体液は精からできているため、精が消耗されると涙が枯れます(「精」とは組織や器官を構成する基本物質です)。余談ですが、反対にあまりにも泣きすぎて涙を出し過ぎると精気を消耗して失明する事例もあります。
ドライアイとは、上記のように目を酷使することで涙の量が減り、角膜が露出されることで目の渇きや痛みを伴って目がダメージを受けてしまう病態です。
眼精疲労と診断された人の過半数はドライアイの症状があり、ドライアイの人の過半数が疲れ目を訴えるという報告があることから、
眼精疲労とドライアイはセットで現れることが多いのです。
ドライアイには、目薬がよいと思われるかもしれませんが、市販の目薬は防腐剤が含まれる関係から、長引く眼精疲労やドライアイに長期に使用すると逆に角膜が傷ついてしまうことがあるため要注意です。
まずは医科を受診して、専用の目薬を処方してもらいましょう。
目は肝と関係する
眼精疲労による目の症状や頭痛には、肝臓が関係している場合が多いのです。目と肝臓ってまったく関係がなさそうですが、東洋医学では「肝は目に開竅(かいきょう)する」といい、肝の血が目を栄養して潤す働きをしています。
目を使いすぎて肝臓の血が減ると、目が正常に働かなくなり、極度に疲れる羽目になります。また、肝臓は筋(すじ)をつかさどるのですが、目は筋肉の多い感覚器です。肝臓の血が筋を滋養することができなくなると、正常に動かなくなります。
さらに、涙も肝が主ります。目を使いすぎて肝臓が弱ると、涙もでにくくなり、涙の油成分が減って蒸発しやすくなり目が乾燥し、ドライアイにつながります。
ディスプレイや細かい資料を長時間眺めて作業をしたり、スマホから出る光をずっと眺めていると、気が休まらずいつも興奮状態にあります。この状態は、肝臓の気が上に上がりっぱなしで常に肝臓が頑張っている状況です。
こうした作業やストレスにより神経がはりつめた状態によっても、目の疲れにつながって頭痛が起こります。
このように多くの点で、目と肝臓は意外と関係しているのです。
肝と腎を治療して眼精疲労をたすける
肝臓の血を補ったり、肝臓の気が上に上がらないように和したりすることで、目の働きを正常化し、身体の精気を補えば、眼精疲労を良くすることができるといえます。
精気というエネルギーを補って、かつ上に上がった気を下ろす働きをするのは、腎です。肝臓の血や涙のもとになる「精」も腎が貯蔵しています。
そこで、
①肝臓の血を補って、肝臓の気がスムーズに流れるようにするツボ
②腎の精気を補い、上に上がった気を下ろす作用のあるツボ
③目の疾患によく効くツボ
をご紹介しますので、眼精疲労の予防とケアをご自身でやってみてください。
眼精疲労によいツボ
太衝:肝血を補い肝気の滞りをめぐらせる
パソコンで目を使いすぎると、脳も多くの情報を処理するため神経が高ぶった状態となっています。神経が興奮した状態を肝気が滞ったと表現しているのですが、交感神経の高ぶりをやわらげるツボとしても、「太衝(たいしょう)」のツボは有用です。
先述した目と肝との結びつきから、肝の血を補うことで目の働きを回復させる目的で、「太衝」を用います。
【太衝(たいしょう)】
足の甲、親指と人差し指の二本の骨の交わるところから、すこし前(指先側)。若干親指寄りにとる。
主に左側の太衝を使います。目をつぶりリラックスした状態で、親指や人差し指の第二関節(指を曲げて)で指圧を30秒行ってください。お灸があればお灸をつかいましょう。
水泉:腎精を回復させ、気を降ろす
パソコンで目や頭ばかり使うと、気が上に上がってしまい降りなくなります。いつも気持ちが高ぶって、頭に血が上った状態となりますので、ズキンズキンと拍動性の頭痛にもつながります。
また、目を使うことによって消耗する精を補うことで、涙がつくられ、目が潤いやすい状態を助けます。目は五臓六腑の精気の出口ですから、精を補うことも重要です。「精血同源」と言われ、精を補うことで血も補われるため、目の疲労が回復しやすくなります。
精は腎で蔵されるため、急激に精が枯れた場合や疲労時には、腎精を回復させるツボ「水泉(すいせん)」をおすすめします。
【水泉(すいせん)】
足首の内側。内くるぶしとアキレス腱の間をさすって下にさがり、踵の骨にぶつかったところで押さえて痛いところ
基本左側の水泉を使います。目をつぶりリラックスした状態で、親指や人差し指の第二関節(指を曲げて)で指圧を30秒行ってください。かかとの骨の上ですが、指でおさえるとけっこう痛いはずです。お灸もおすすめです。
合谷:~面口は合谷に収める~
「合谷(ごうこく)」は、顔面や目の疾患一切に合谷が効くと云われています。万能なツボで有名です。肩首まわりのコリがとれやすくなるため、「曲池(きょくち)」と合わせて使うことで相乗効果が得られます。
【合谷(ごうこく)】
人差し指と親指を広げると、二本の骨の交わる少し前あたりに凹むところがあり、そのあたりを押して一番痛みがあるところ。
【曲池(きょくち)】
肘を曲げ、肘の外側にできるシワの先端からそのまま肘頭に向けてなぞっていき、骨にぶつかる手前。押すとツーンと痛い。
両方の「合谷」と「曲池」を、親指の先をつかって、持続的に押圧します。ツーンと気持ちいい響きが感じられればGOOD!頭や首まわりが軽くなるはずです。目を閉じて深呼吸しながらリラックスした気持ちでやりましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したツボは、疲れ目と眼精疲労どちらにも効果的ですが、大切なのはよく休むこと。寝不足では回復するものも回復しません。夜11時には就寝していることが身体を回復させるうえでポイントとなります。毎日でなくとも、早く寝る日をつくってみるのもいいかもしれませんね。
また、コンタクトレンズや眼鏡が原因となっている場合もあるので、見直してみてはいかがでしょうか。
深呼吸も大切です。パソコン業務や目をつかう作業で必死になっていて呼吸が浅く酸素が足りていないことも多いのです。目を閉じて大きく息を吸い込んで吐く。これだけで、スッキリしてきます。
眼精疲労はぬるま湯につけて絞ったタオルで目を温めたり(目を温めるアイテムもありますね)、逆に氷で冷やすことが効果的なこともあります。氷をビニール袋に3~4個入れ、氷水につけたタオルでくるんで、目に10分ほど当てることでかなり楽になることもあります。アイスノンや保冷剤は危険があるので極力避けましょう。
これらを続けてもなかなか良くならず、長引く場合には、背後に目の病気や隠れた身体の病気があることも考えられますので、軽く考えずに医科を受診することも大切です。
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