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ぽっこりお腹に効かせる腸腰筋ストレッチ

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だらしなく出てしまうぽっこりお腹の原因とは!?

そんなに太っているわけではないのにお腹だけがポコッ…

タヌキさんのようなお腹の原因は、あなたの姿勢からきているのかもしれませんよ☆

実は、太りやすい人は太っていない人に比べて一日に平均座っている時間が2~3時間が長い、といわれています。

そりゃ、座ってじっとしている時間が長いとカロリー消費しないので太っちゃうのも分かります。

でも、座っている要素の中で、一番太ってしまう原因って何なのでしょう?それが、最近よく耳にするインナーマッスルの「腸腰筋(ちょうようきん)」なのです。

腸腰筋とは、下の図のように大腰筋と腸骨筋を合わせて呼んだ名前です。大腰筋は背骨(腰椎)から股関節へ。腸骨筋は骨盤から股関節へとくっついています。そのため、単純な働きとしては、股関節を曲げて太ももを上に持ち上げたり、反対に体幹を曲げたりするときにも使っています。

腸腰筋

さて、この腸腰筋。

大事な働きは、背骨のS字カーブをつくるということなのです。

腰椎という腰の骨から股関節についているので、腸腰筋が縮むと、骨盤が前傾して腰が前に反るように働き、背骨のS字カーブの基礎となります。

これは、重力に対して直立するためにとっても重要な筋肉であるということがわかります。言い換えれば、重力によって身体がひしゃげないように守る唯一の筋肉だということです。一説によれば、日本人と黒人の大腰筋の断面積は3倍以上も異なるという記事があります。走ったり跳躍したりする運動能力の差にも無関係ではないと考えられています。

さて、この腸腰筋が弱ると、重力にうまく応じた良い姿勢を維持することができなくなり、内臓の働きや全身の代謝が鈍ってしまいます。その結果として、太りやすくなってしまうということにつながっているようです。

ぽっこりお腹の原因は、どうやら今お話しした「腸腰筋」の機能低下と関係がありそうです。

その背景には、座る時間が長かったり、腸腰筋が弱るような姿勢を普段からとっていることにあるんですよ(;´Д`)

腸腰筋が働きすぎて反り腰になるほどお腹がでるのでは?

ここで、「ちょっと待ってくれ!」という声が聞こえてきますね(^_-)-☆

腸腰筋が背骨のS字カーブの維持に貢献していることはわかったけど、腸腰筋が働きすぎて腰が反れば反るほどお腹が前に突き出てしまうのでは?

と疑問がわいてきませんか?

そうなのです!

腰を無理に反らし過ぎるとお腹が前に突き出るのは当然ですよね。

しかし、腰が反りすぎる場合というのは逆に腸腰筋が固まって短縮し、股関節から曲がってお尻が突き出たような姿勢の場合。つまり、足の前方(もしくは膝が曲がって後方)に重心を移動させて立った場合なのですね。

下の図を見てみましょう。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 背筋とアラインメント-1024x944.png

理想的なアライメントでは、耳・肩・股関節・膝の後ろ・くるぶしが一直線上にあり、重心もこのライン上にあります。この状態では、腸腰筋が適度に緊張して全身の筋肉バランスがとれ、お腹だけがでっぱるようなことはありません。

一方で、右の2つの崩れたアライメントではそれぞれ正しい重心線よりも前や後ろに偏移してしまっています。そのため、どちらの場合であっても猫背となりお腹がゆるんで適度な緊張がつくれず、内臓や脂肪が前に押し出されお腹が前に出っ張ってしまいます。

どちらにしても、正しい重心からはずれた姿勢では、腸腰筋が短縮して硬くなったりあるいは弛緩しすぎたりして、正常な働きができなくなってしまっています。

正しい重心位置で立つ姿勢ができたとき、腸腰筋は機能しやすくなり、重力に対して適切に応答して立つことが可能となるのです。

腸腰筋の働きが弱るとどうなる?

悪い姿勢の持続により、腸腰筋が硬くなっても弛緩しすぎていても働きは弱ります。

そして腸腰筋が働きにくくなると太りやすくなるというお話をしました。

もちろん背中の筋肉の弱りも関わりますが、猫背という前かがみの姿勢が続くことや、長時間座っている姿勢が長いと、腸腰筋がサボってしまうと、バランスをとるために全身の他の筋肉が凝り固まってしまい、血流や代謝が悪くなってしまいます。

例えば、猫背になると、アゴが前に突き出て首の後ろを圧迫し、肩は巻き肩となり頭部の血流も阻害します。お腹も圧迫するので腹式呼吸がしにくくなり呼吸は浅く、骨盤は後ろに傾いて膝が曲がるため本来歩くときにほとんど使うことのない太ももの前の筋肉がカチカチになります。

当然、歩幅は短くなり、息が切れやすく疲れやすくなって、自律神経が乱れてしまいます。

このように、猫背は万病の元となってしまうのですが、

腸腰筋がしっかり働いてくれる状態をつくってあげるだけで、全身の筋肉はストレスから解放され代謝もよくなり、太りにくい体をつくることができるのです。

余談ですが、腸腰筋の上の端は、横隔膜にそのままつながっています。

腸腰筋が鍛えられ柔軟に働くことで、横隔膜まで動きがよくなり、呼吸がしやすくなるばかりでなく、逆流性食道炎の予防にもなります。じつは、腸腰筋が弱ることで横隔膜の動きまで弱り、胃から食べたものが食道へと逆流しやすくなるのです。

腸腰筋の弱りをセルフチェックしよう!

では、あなたの腸腰筋が弱ってしまっているかどうか、チェックしてみましょう!

椅子に座って膝を持ち上げるだけで分かります!

ただし、いくつか条件があるので、みていってみましょう。

  • ①高さを調節できる丸椅子や、背もたれのない椅子などを用意します。座面の幅が広すぎないほうがいいですね。
  • ②膝の角度が直角ぐらいになるように椅子の高さを調節しましょう。
  • ③壁に椅子をピタッとつけ、そこに座ります。
  • ④おしり・せなかが壁にピタッとつくように、深めにしっかりと腰掛けましょう。(腰がやや反るような状態です)
  • ⑤その状態で両手を肩にあてて交差して組みます。
  • ⑥腰が曲がらないよう注意しながら、よい姿勢をキープした状態で、膝を持ち上げることができるか確認します。
  • ⑦膝が挙がらない、もしくは膝をあげるのがきつい、膝をあげると背中が丸まってしまう場合、腸腰筋の働きが低下してしまっています!危険信号だと思いましょう(;´Д`)

とくに、⑥の場面で膝を持ち上げる前からけっこうきつい、無理な感じがしませんか?

腸腰筋が普段から弱ってしまい猫背の姿勢になってしまっている方は、この運動ができなくなるのです。でも大丈夫!これからご紹介する方法で毎日すこしずつ意識して運動すれば、だんだんこの動きができるようになってきますよ!

⇩このエクササイズのくわしい方法は、以下の動画でチェックしてみてくださいね♪

ぽっこりお腹を解消するストレッチ/エクササイズ

それでは、腸腰筋の働きをとりもどしていくエクササイズをご紹介していきます。

ただ、中には無理をすると傷めてしまうものもありますので、軽めの方法と、きつめの方法をそれぞれご紹介します。ご自身のお身体に合わせて無理なくケガなくトライしてみてください。

腸腰筋のストレッチ

まずは長時間座る姿勢などで固まってしまっている腸腰筋をほぐしていくストレッチのご紹介です。最初は急につよくせず、ものたりないくらいの強度で3日くらい続けてから、徐々に強く伸ばすようにしていってみましょう。そうしないと、痛みが出る可能性が高いのです。

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■軽めのストレッチ

仰向けに寝て、片方の膝を図のように抱きかかえるようにして胸に近づけましょう。その状態で深呼吸しながら20秒キープ。これを適度に繰り返します。

曲げた方の脚のおしりの筋肉と、伸ばしている方の脚の腸腰筋が同時にストレッチできる方法です。

ポイントは、腰をやや反らして行うことです。


■強めのストレッチ

  • 両ひざを立てて、その姿勢から片膝を直角にまげ、もう片脚は後ろにかるく伸ばします。
  • その状態からおへそを前方へ平行移動させるように前方へと移動します。
  • 画像の赤いラインの部分(後ろ足側の股関節の奥から下腹にかけて)ストレッチ感があれば成功です。
  • 背中が丸まらず体幹がまっすぐになるよう意識しましょう。
  • 少し難易度が高いので、下の画像で確認してみてください。
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腸腰筋ストレッチの様子

腸腰筋を鍛えるエクササイズ

腸腰筋をストレッチして働きやすい状態をつくったら、今度は鍛えていきましょう!

実は、腸腰筋のセルフチェックの時にお伝えした座って膝を持ち上げる方法は、そのままエクササイズとして使えます。先の動画を確認して頂いて、呼吸を止めずにゆっくりめに繰り返し行ってみてください。

もう一つの方法は、歩行です。

■生理歩行

正しい歩き方を行うことで、自然と腸腰筋はストレッチされながら鍛えることができます。

・骨盤をやや前傾にさせ体幹を少し前傾させつつ歩く。ややお尻を突き出すくらいでかまいません。

・脚が外にひらくとがに股になり骨盤が後傾し、左右に重心がぶれやすくなります。足先は一線をはさむようまっすぐ向けましょう。

・肘をかるくまげて後ろに軽く引くイメージで。手はボールを軽く持つようにややまげて。

・慣れてきたら歩幅を広くしてみましょう。より腸腰筋に効いてきます。

健康に役立つ正しいウォーキングの方法

最後に、腸腰筋の働きを高めて猫背を解消していくスクワットのご紹介です。

くわしい方法は以下の動画を確認してやってみてくださいね!

  • 足を開かず足先をやや内側にいれる気持ちで肩幅に立つ
  • 口をすぼませて息を吐きながら、ゆっくりゆっくりとスクワットで沈み込んでいく
  • この時、骨盤をできるだけ前傾させる(おしりを突き出すような形で腰を反る)
  • 背中を丸めず、顔は前方の壁の方を向く
  • 膝の頭が足先よりも前にいかないようにしましょう
  • 沈み込んだらそのままの姿勢をキープして息を鼻で吸う
  • また口で息を吐きながらゆっくりゆっくりと立ち上がっていく
  • この時も絶対に腰が丸まらないよう、骨盤を前傾させ腰を反らしながら行う
  • 以上をできるだけゆっくりと5~6回繰り返す

⇩実際の方法は動画の3:05くらいからご視聴ください(音声にご注意ください)

※WB体操は日本構造医学会の吉田勧持先生が考案されたスクワット法です

さいごに

いかかでしたでしょうか?

複数の方法をご紹介しましたが、ご自身のやりやすいものに合わせて、組み合わせてトライしてみてください。

体のセンターともいわれるインナーマッスルの腸腰筋を目覚めさせ、「ぽっこりお腹」の太った体型とお別れし素敵なボディをとりもどしましょう!もれなく健康まで手に入りますよ☆

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Nagahama

はじめまして、鍼灸・接骨院「白澤堂HAKUTAKUDOU」の院長・長濱です。 当院では、東洋医学の幅広い知識を現代に活かし、皆様の健康を支える施術を行っております。気血のバランス、骨格のバランスを整えて本来の正常な機能と動作を取り戻すことが大切です。心身のお悩み、お気軽にご相談ください。

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